Google「Gemini 3.1 Pro」発表!思考力が2倍になった新モデルは何がすごいのか?

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「考える力」が劇的進化。Geminiの新基準

2026年2月19日、Googleが新たなAIモデル「Gemini 3.1 Pro」を発表しました。前モデルであるGemini 3 Proが登場してからまだ日が浅い中でのアップデートですが、今回の進化は単なるマイナーチェンジではありません。

最大の特徴は「論理的推論(Reasoning)能力」の大幅な強化です。これまでAIが苦手としていた「複雑な指示を読み解く」「手順を自ら組み立てる」といった思考プロセスが、格段にスムーズになりました。Google自身もこれを「基礎知能のレベルアップ」と位置づけています。

実はこのモデル、先日アップデートされたばかりの思考特化機能「Deep Think」の基盤技術を応用しています。Deep Thinkが科学や研究などの「難問」をじっくり解くためのものだとすれば、今回のGemini 3.1 Proは、その高度な頭脳をチャットやアプリ開発といった「日常」に落とし込んだモデルと言えます。普段使いのAIが、一気に賢くなったイメージです。

ライバルをごぼう抜きにする驚異のスコア

性能向上を示す数字は強烈です。AIの抽象的な思考力を測るベンチマーク「ARC-AGI-2」において、Gemini 3.1 Proはスコア77.1%を記録しました。

これがどれほど凄いかと言うと、前モデルのGemini 3 Proが31.1%だったため、実に2倍以上のスコアアップを果たしたことになります。さらに、競合であるAnthropicの「Opus 4.6」(68.8%)や、OpenAIの「GPT-5.2」(52.9%)と比較しても、頭一つ抜けた性能を見せつけました。

科学知識を問うテスト「GPQA Diamond」でも94.3%という高得点を叩き出しており、現時点での「賢さ」においては業界トップクラスに躍り出たと言って差し支えないでしょう。もちろん、テストの点数が全てではありませんが、AIの基礎体力が底上げされたことは間違いありません。

「あうんの呼吸」で通じる作業パートナーへ

では、この進化した思考力は私たちの仕事にどう役立つのでしょうか。Googleが強調しているのは、複雑なシステムと人間の間をつなぐ「橋渡し役」としての能力です。

デモとして公開されたのは、国際宇宙ステーション(ISS)の軌道データを可視化するダッシュボードの作成です。ユーザーは「軌道を見たい」といった自然な言葉で指示するだけで、Gemini 3.1 Proが自律的に公開データを探し出し、連携設定を行い、リアルタイムで動く画面を作り上げました。

「ウェブサイトを作りたい」「アニメーションを埋め込みたい」といったリクエストに対しても、裏側で必要なコードを完璧に書き上げ、実行まで持っていきます。これまでは人間が細かく指示出しをする必要がありましたが、新しいGeminiは文脈を汲み取り、「要するにこういうことですね」と先回りして動いてくれる感覚に近づいています。

万能ではない? 知っておくべき得意・不得意

手放しで賞賛したいところですが、冷静な視点も必要です。すべての面で最強というわけではありません。

例えば、画像とテキストを同時に処理するマルチモーダル性能(MMMU Proベンチマーク)では、前モデルのGemini 3 Proの方がわずかにスコアが高いという逆転現象が起きています(新モデル80.5%に対し、旧モデル81.0%)。また、外部ツールを駆使して難問を解くテストでは、依然としてAnthropicのOpus 4.6が首位を守っています。

「論理的に考える」ことは得意になりましたが、「様々な道具を器用に使いこなす」という点では、まだ他社モデルや旧モデルに分がある場面もありそうです。用途に応じて、モデルを使い分けるのが賢い付き合い方になるでしょう。

今すぐ使える場所と、気になる料金

Googleはこの新モデルを「プレビュー版」として、すでに広範囲で公開しています。

  • 開発者・企業: Google AI Studio、Gemini API、Vertex AIなどで利用可能。
  • 一般ユーザー: Geminiアプリや、NotebookLM(Pro/Ultraサブスクリプションが必要)で試せます。

そして最大の朗報は価格設定です。性能が倍増したにもかかわらず、APIの利用料はGemini 3 Proから据え置きとなっています。競合のOpusモデルと比較してもかなり割安です。

  • 入力(Input): 100万トークンあたり 2.00ドル(約20万トークンまで)
  • 出力(Output): 100万トークンあたり 12.00ドル

現在はプレビュー段階のため、Googleはユーザーからのフィードバックを求めています。特に「自律エージェント」としての挙動を磨いていくそうなので、今のうちに触ってAIの進化を体感してみてはいかがでしょうか。

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