AdobeのPhotoshop・Acrobat・ExpressがChatGPTに統合、チャットだけで編集が回る時代へ

AI

チャットが作業場になると何がラクになるのか

生成AIに慣れてくるほど、「アイデアは出たのに、仕上げの編集が別アプリで面倒」という壁に当たりがちです。今回のポイントは、ChatGPTの会話の流れのまま、画像・PDF・デザインまで手を入れられること。質問→修正→微調整を同じ画面で往復できるので、作業が“思考の速度”に近づきます。特に、軽い修正をするためにアプリを開いて保存して…という手間が減るのは、日常の効率に直結します。

Photoshop連携で写真編集がテキスト中心に変わる

Photoshop連携では、自然文の指示で画像の編集を進められます。背景変更や雰囲気づくりなど、いわゆる「何をしたいか」を言葉で伝えるイメージです。たとえば商品写真なら、「背景を白にして影を薄く」「反射を抑えて清潔感を出す」といった方向性から入れます。細かい指定は後から段階的に足せるので、まずは大枠→次に寄せる、の順番が相性良いです。作業手順が短くなるだけでなく、編集の意図を言語化しやすくなる点も効いてきます。

Acrobat連携でPDFの修正が会話の中で完結する

Acrobat連携は、PDFを「読む」だけでなく「直す」までをチャット内で扱えるのが肝です。履歴書や職務経歴書のように、体裁と内容の両方が大事なPDFは、修正のたびにレイアウトが崩れないか気になります。ここで会話の流れを使えると、「この段落を短くして1ページに収めたい」「見出しの体裁を揃えたい」など、目的を伝えて編集し、結果を見て微修正する流れが作りやすくなります。文章の見直しと書式調整が分断されにくいのは大きな利点です。

Express連携でテンプレからデザイン作成が早くなる

Adobe Expressは、テンプレートを土台に“それっぽい”デザインを素早く作るのが得意な領域です。招待状や告知画像、SNS投稿など、ゼロから作り込むより「まず形にする」ことが重要なケースで効果が出ます。たとえばイベント告知なら、用途に近いテンプレを選び、本文を流し込み、色味や雰囲気を会話で整える、といった進め方ができます。デザイン経験が浅い人でも、迷うポイントを言語で整理しながら前に進められるのが良さです。

接続から実行までの流れ

  • ChatGPTの設定から「Apps & Connectors」を開く
  • 使いたいAdobeアプリ(Photoshop/Express/Acrobat)を選び「Connect」する
  • チャット画面の「+」から「More」配下でアプリを選び、やりたいことを文章で指示する
  • または「/AdobePhotoshop」「/AdobeExpress」「/AdobeAcrobat」のようなスラッシュコマンドに続けて依頼を書く

大事なのは、接続したら“チャットに呼び出す”こと。どのアプリを使うかを最初に明確にすると、意図が伝わりやすくなります。

うまく編集結果を引き出す指示のコツ

コツは「具体的に」「一度に詰め込みすぎない」の2つです。たとえば画像なら、いきなり全部を頼むより「背景→色味→質感」のように工程を分けると安定します。また、複雑な依頼は小さな指示に分解するほうが成功率が上がります。編集後にスライダーで調整できる場面もあるので、最初は“少し強め”に出して、スライダーで戻す、という使い方も有効です。会話は修正の履歴になるので、「どこを変えたか」を言葉で残せるのも地味に便利です。

この統合がもたらす変化と気をつけたいこと

一番の変化は、AIが「提案役」から「実作業の相棒」に寄っていく点です。チャットが作業ハブになると、軽微な修正の心理的ハードルが下がり、改善の回数が増えます。一方で、扱うデータが画像やPDFになるほど、社外秘・個人情報の取り扱いには慎重さが必要です。作業効率が上がるほど、アップロードする素材の選別や、必要最小限の情報で依頼する意識が重要になります。便利さと安全さをセットで設計するのが、これからの使い方になりそうです。

まず試すなら失敗しにくい3つの使い方

  • 写真の背景だけ変える:人物や商品の切り抜きを含め、目的が明確で結果が判断しやすい
  • PDFの体裁を整える:見出し統一、不要行の削除、表記ゆれ修正など“小さな改善”から始める
  • テンプレで告知画像を作る:タイトル・日時・場所だけ入れて形にし、後から色味と余白を調整する

最初は「編集の方向性がはっきりしている作業」から入ると、手応えを掴みやすいです。慣れてきたら、工程を分けて“会話で制作プロセスを組む”感覚に寄せると、統合の価値がより出てきます。

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